拡大新生児マススクリーニング検査
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拡大新生児マススクリーニング検査
世の中には、病気をもって生まれてくる赤ちゃんがいます。
そのような病気の中には遺伝性疾患という、遺伝子の変化が原因で起こる病気があります。
遺伝性疾患の多くは従来、治療法がない難病とされてきましたが、最近は新しい治療法の開発により、早期治療が可能となったものもあります。
具体的には、重症複合免疫不全症、脊髄性筋萎縮症などで、それぞれ稀な病気のため診断が難しく、診断が遅れて症状が進行してから治療を開始しても、十分な効果を得られないことがあります。
拡大新生児スクリーニング検査(有料)は、これら2疾患について早期の診断、治療開始を目的に行います。生後4~6日の赤ちゃん全員を対象とした、現在の先天性代謝異常等検査(新生児マススクリーニング検査)に加えて、ご希望された方に追加で検査できるので赤ちゃんへの負担を最小限にできます。
どうぞご検討ください。
費用:10,000円+税
対象疾患
重症複合免疫不全症(じゅうしょうふくごうめんえきふぜんしょう)(SCID)
生まれつきの免疫系の異常により、血液中の免疫にかかわる細胞であるTリンパ球がほとんど存在せず、病原体に対する抗体を作るBリンパ球も機能しなくなることで、病原体から体を守ることができず、重い感染症を繰り返す病気です。患者さんは5万人に1人と推定されています。
- 主な症状
- 肺炎、下痢、口腔内カンジダ、中耳炎、敗血症、生ワクチン(ロタウイルスワクチン、BCGワクチン)に対する重い副作用など。
- 具体的な症状
-
乳児期早期に、肺炎、敗血症、胃腸炎などの重い感染症を繰り返すことがあります。
慢性の下痢・吸収障害のために、体重の増えが悪くなることがあります。
診断前に重い肺炎や敗血症にかかり、適切な治療が受けられないまま亡くなられてしまうことがあります。
重症複合免疫不全症の赤ちゃんに、生ワクチン(ロタウイルスワクチン、BCGワクチンなど)を接種してしまうと、命にかかわる重い副作用を引き起こす可能性があります。 - 早期発見することの重要性
- 重い感染症にかかることを未然に防ぐことができます。また、それによって根治治療である造血幹細胞移植の成功率を上げる効果もあります。
脊髄性筋萎縮症(せきずいせいきんいしゅくしょう)(SMA)
SMN蛋白を十分に産生することができないため脊髄の前角細胞(運動神経)が変性し、進行性の筋力低下、筋萎縮を引き起こす疾患です。重症型の場合、乳児期に運動発達がとまり、哺乳や食べ物の飲み込み、呼吸ができなくなるなどの症状を引き起こすことがあります。
- 主な症状
- 弱い泣き声、哺乳困難、呼吸困難、嚥下困難、四肢や体幹の筋力低下、成長の遅れなど。
- 具体的な症状
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全身に筋力低下がみられ、首がすわらない、おすわりができないなど、運動発達に遅れがみられることがあります。
呼吸するときに必要な筋肉が弱いため、咳の力が弱い、呼吸が浅く弱いことがあります。
母乳やミルクを飲めない、誤嚥を起こしやすいなどの嚥下障害がみられることがあります。 - 早期発見することの重要性
- 症状が出現する前に診断し、治療を開始することで、症状を軽くしたり、進行を抑えることができる可能性が高くなります。最近の治療の進歩が特に著しく、早期治療開始により、一人歩きが可能になった症例も出てきています。